菅原洋平著「すぐやる! 「行動力」を高める“科学的な"方法」を読んで脳との関わり方が分かった
菅原洋平著「すぐやる! 「行動力」を高める“科学的な"方法」を読みました
菅原洋平さんは作業療法士を職業にしている方です
作業療法士とは
医療従事者の一員である。理学療法士(PT)、言語聴覚士(ST)、視能訓練士(ORT)と共に、リハビリテーション職と称されるもののうちの一つ。
脳がダメージを受けたりした時に、リハビリをどう行っているか?また行動を変えるためにどのようなことを意識したらいいかを職業にされている方です
いわば、体と脳のスペシャリストということですね
私がこの本を読んでいて違和感を持った表現が
「脳という内蔵」です
そして、「脳」との付き合い方
どうすれば「すぐやる脳」になるのかということです
脳は1人称ではなく2人称
私はこれまで、脳は1人称で考えるものだと思っていましたが、どうやら脳は2人称で考えるもののようです
その他の内臓(胃、肺、心臓など)が自分の意志で動かせないように、実は脳も自分の意志では動かせないものです
ただ、脳が他の臓器と違うところは、考えることを司る器官だということです
人は考える葦である
という言葉があるように、他生物と人間の違いは考えることです
それは本能による支配からの脱却ということです
だからこそ、人間にとって脳は特別な器官で、自己と脳は同体とみなしていました
しかし、脳が内蔵の一部であるということは思い通りに動かすことができないので、自分=脳ではなく、自分と脳は明確に違うものだと認識した方がよさそうです
胃や腸を活発に動かす方法と、脳を活発に動かす方法は実はそれほど変わりがないのではないかと、この本を読んでいて思いました
「やればできるはず」と思い込んで、自分に負荷を課すと「脳」はどうしたらいいか分からず混乱して、動けなくなり、罪悪感を味わうそうです
罪悪感を味わうことで、次にどういう行動を取るのかが凄く重要になる
そこで無気力になって動かなかったり、落ち込んで自分を責めたりすると、その行動が脳にとって重要な行動になってしまい、負のスパイラルに陥りやすくなるそうです
すぐに行動できるようにするためには、脳に次の行動を予測させてあげることが大切です
例えば、食事をとった後に皿洗いをすぐにやりたいなら、皿を降ろさずに一枚洗うことだそうです
そうすることで、脳は皿を洗うという次の行動を予測でき、混乱することなく、スムーズに行動できるそうです
また、5感の中で脳に最も影響を与えるのは触覚だそうです
ほかの5感は、目を閉じたり耳を塞げば、脳に情報を伝えずに済みますが、触覚は体全体の話になるので、遮断することができません
それだけ、脳は常に触覚から情報を得ています
脳をすぐやる状態にするためには触覚が非常に重要です
様々な感触を味わうことで、脳が刺激され、活発に動く準備ができるようになるそうです
子供が全身を使って喜びを表現したり、危険を顧みないで触りに行くのは、好奇心だけでなく、脳が触覚で情報を求めてるからなんだと分かりました
脳の構造を理解し、どういう行動を示すのか
脳は決して自分の望んだことを考え、答えを導いてくれるわけではありません
脳を正しく使うにはどうしたらいいのか。また、自身の意見は本当に正しいのかと疑う姿勢も大切です
無思考で思い込むという行為は、脳が出した結論を鵜呑みにしている状態です
脳は決して優秀な部位ではありません
私たちが脳を使っていく意識がなければ、脳と正しくお付き合いができないのです
まとめ
この本にはモチベーションや才能という曖昧なものではなく、様々な実践方法が、脳と体の関わりによって書かれています
実践方法も勉強になりましたが、私にとって目からウロコだったのは、脳が2人称で考えた方が、よりスムーズにいくということでした
以前によく頭で考えすぎだということを言われ、頭で考える以外にどこで考えればいいんだと悩んで時期がありましたが、この本を読んで、脳が内蔵であり、使うものだと分かってより腑に落ちました
自分の意志というものは、体や脳ではなく、心で感じるものなんだなと
受動的な臓器で考えるのではなく、深く内省することで、よりクリアな自分に出会えるのではないかと思います
すぐやる!とは主旨がズレた結論になりましたが、主題を読み取るだけではなく、自分なりの考えに結び付けることも本を読む醍醐味ですね
もちろん「行動力」を身につけたい人にはオススメです
この本の内容を実践すれば、無理しなくても、行動をほんの少し変えるだけで、驚くほどの成果が得られるはずです
お供にしたいBGM
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今回は「相対性理論」を選びました
相対性理論の音楽はどこか2人称というか、自分と少し離れているところで浮遊しているイメージがあったので選びました
今回得た「脳」のイメージに似ている音楽です