NHK「約束」羽賀翔一×佐渡島庸平2人が描く理想の漫画
10/22にNHKドキュメント「約束」が放送されました
この番組は、「約束」するということが、成長していく・生きていく上でいかに大切かをドキュメントで追いかけていく番組です
本田圭佑選手の話も取り上げられているので、リンク先の動画のサムネイルが本田選手になっていますが、メインは羽賀翔一さんと佐渡島庸平さんです
羽賀さんは今年大ヒットしたマンガ 「君たちはどう生きるか」のマンガ家さんです
佐渡島さんは「宇宙兄弟」「バカボンド」「ドラゴン桜」といったマンガの編集担当をしている方です
このドキュメントでは、人が刺さるものを作り出す苦悩が描き出されていて、クリエイティブという仕事のある種の狂気が伺えます
自分自身をさらけ出す大切さ
番組のメインは、羽賀さんの新作が走り出すまでを描いています
羽賀さんと佐渡島さんの間で交わされた約束は「世界が驚くファンタジー漫画を作ろう」というものです
羽賀さんが描いている新作は「家から出て行った父親との再会」を描いたものです
羽賀さんと佐渡島さんが歩んできた8年は、世界が驚くファンタジー漫画を作るためです
200万部の大ヒット作 「君たちはどう生きるか」も、ファンタジー漫画を描くための一環だったというから驚きました
そして、新作「シラナイ一家」は、ファンタジー漫画を描くための最終ステップです
羽賀さんは、小さい頃に両親が離婚して、父親と長い間会っていないそうです
そのことが原因なのか、心を閉ざすようになってしまい、特に父親のことになると上手く受け入れらないところがあるそうです
羽賀さんが父親とのことを描き切るということはつまり、自分自身の中にある父親へのトラウマの克服になるのです
父親へのトラウマを乗り越えて、心をさらけ出すことが出来れば、ファンタジー漫画のキャラも活きてくると
番組の中で佐渡島さんが「自分をさらけ出していない作品は絶対に読者に刺さらない」と仰っていました
この言葉が、自分に刺さりました
私もクリエイティブなことを生業としています
しかしながら、作品を作るために自分をさらけ出す作業をこれまでしてきたかというとしてきませんでした
自分の作品が浅く感じてしまうのは、キャラ設定や世界観が甘いわけではなく、自分自身と向き合う作業が出来ていなかったからなんだと気づきました
羽賀さんが何度も書き直し、ようやく佐渡島さんからOKがでた作品は、羽賀さんが父親の事と向き合えないまま書いていた作品よりも圧倒的に面白いです
下記のnoteで羽賀さんの第一稿が見られます
何度も推敲を重ねて、ストーリーそのものが面白くなっているというよりも、濃度が明らかに違っている点が面白いです
第一稿の作品と第四稿の作品を比べると、世界の鮮明さがハッキリとしていて、表面的な部分では人の心に刺さらないということが、深く実感できます
ドキュメントとしても面白い番組でしたが、この番組はクリエイティブな仕事を目指している全ての人に見て欲しい番組でした
NHKさん、再放送をお待ちしております
【関連記事】
佐渡島庸平著「WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE」を読んで