読書タイムイズマネー

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茂木健一郎・高田純次著「裏切りの流儀ーあらゆることはバランスで成り立っている」を読んで

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茂木健一郎高田純次著「裏切りの流儀ーあらゆることはバランスで成り立っている」を読みました

 

 

自然体な印象のお2人による対談本です

 

タイトルの裏切りの流儀とは、高田純次さんが舘ひろしさんに「お笑いとは?」を聞かれた時に、「お笑いは裏切りだ」と答えたというところから来ています

 

裏切りはいい意味で使えば、自分の視点や予測になかったことが起こるということですね

 

予測ができてしまうお笑いは、大きな笑いにはならないことが多いです

 

一発屋と呼ばれる方たちが姿を消してしまうのは、ヒットしたネタが飽きられてしまう(消費されてしまう)からです

 

大きな裏切りによって注目を集めたネタが、期待通りになってしまうというのは、笑いとしてはキツイ状況です

 

以前にダウンタウンのまっちゃんが、ネタを見る場合にどれだけパターンを入れられているかで見ると言っていました

 

笑いのパターンがあればあるほど、視聴者を裏切り続けられるということです

 

お2人の対談は、高田純次さんが裏切り続け、茂木健一郎さんが脳科学者としての目線で話を進めるという、噛み合っているような噛み合っていないような、それでいて読んでいてホッコリしますし、また楽に生きられる方法が書かれています

 

高田純次さんの本を読めば読むほど、真面目な方で良い人なんだなと分かります

 

そんな高田純次さんが適当男というキャラをしているから面白くて、好感度が高いんです

 

求められてるものに全力で応える姿勢をし続けているんですよね

 

そこに誠実さがあるわけです

 

片や茂木健一郎さんは自然体で、常に脳科学者という読者の求める視点を崩さずにおられるところに好感が持てます

 

この本では、どういう生き方すればいいかといった具体的な内容が書いてあるわけではないですし、だいたい高田純次さんが男女の関係に話を持っていってしまいます

 

最近のニュースやSNSを見ていると、みんながピリピリしていて、許す許容範囲が極端に狭くなっている印象です

 

出る杭は打たれるであったり、自分と違う考え方を許容できなかったりと、同調圧力と平均化と真面目であらねばならないという、よく分からない倫理が社会全体を支配しているような印象です

 

ただ、それってとても息苦しいですよね

 

不真面目であった方がいいというわけではないですが、普段から周囲の目を気にして、自分を殺して生きていくくらいなら、高田純次さんの絶望したからこその明るさを取り入れた方がいいと思います

 

たぶん、高田純次さんは周囲を許している方です

 

自分のダメな部分を許容して、自分だってダメなんだから周りの事も許していこうよというスタンスで生きられているように感じます

 

物事に凄く敏感な人たちは、自分に自信がないんだろうなと

 

自信がないからこそ、自分の意見にしがみつく、正当化する

 

世の中が不安定になって、自分自身に自信が持てない人たちが多くなってきているというのは、真理だと思います

 

失敗が許されない社会になって、でも、本来は失敗してもいいんですよ

 

人生は一度きりですが、死ぬまでに何度もやり直しができるのもまた人生です

 

互いの失敗をダメなところを許容し合って、生きていくというのが共生であり、本来の自然な生き方なんだと思います

 

許さない思考は、許さない思考の持ち主を引き寄せます

 

そうなってくると、どんどんと生きづらい世の中に自分でしていくことになります

 

それなら、許し合って共に生きていく人たちを増やしていきたいと思いませんか?

 

そのためには、自分がまず周囲を許すことです

 

こんな理不尽なことをされたけれど、そこから成長する要素を自分でピックして、その事象そのものには焦点を当てないことです

 

というような内容が書いてあるわけではないですが、茂木さんと高田さんの対談には許し合うという美しさがありました

 

対人関係につかれている方におススメです