藤原和博著「10年後、君に仕事はあるのか?―――未来を生きるための「雇われる力」とたった一度の人生を変える勉強をしよう」を読んで
藤原和博著「10年後、君に仕事はあるのか?―――未来を生きるための「雇われる力」とたった一度の人生を変える勉強をしよう」を読みました
こちらの2冊は、20代向けか10代向けかの違いがありますが、藤原さんの言いたいことは共通しています
ここ数年は特に激動の時代なので、数年前に通用していたことが現在では通じなくなっているということが往々にしてありますが、基本的なことというのは変わらないものです
それは現代では変わらないという意味ではなく、有史以来で変わってないのかなと
ソクラテスの時代から変わらないことが多くあります
現在の日本の教育が戦後の国策に当てはめたものであって、決して有史以来の不変なものではありません
むしろ、日本の教育は現代に合わなくなっているというのが実情です
なぜ、時代に合わなくなっているかというと、現代教育は「正解」を求める教育だからです
時代の流れが早く、不確実性なものがより早く大きくなっている時代に、正解が必ずあるという考えてしまうと、時代に乗り遅れ、さらに不測の事態に柔軟な対応ができなくなります
これは企業の話ではなく、個人的な生き方にも当てはまります
現代は「正解」がない時代とも言い換えられます
教育で培っている、いわゆる正解を求めることを「情報処理力」だと言っています
これはジグソーパズルを解く力で、完成形があり、正しい場所に正しいピースを置くことが求められている力です
日本の教育は「情報処理力」に力を入れています
しかし、「正解」の無い時代を生きるためには、「情報処理力」だけでは足りません
正解がない問題に対して、「正解」を出すのではなく「納得解」を出す力「情報編集力」を身につけなければいけない時代になりました
「情報編集力」とは問いを自分で立てて、仮説を導き出し、検証する力です
そのために必要な力が以下の5つです
- コミュニケーション
- ロジカルシンキング
- クリティカルシンキング
- ロールプレイ
- プレゼンテーション
どちらの本にも、この5つを鍛えることが大切だと書かれています
より分かりやすく書かれているのは「たった一度の人生を変える勉強をしよう」ですね
こちらの本は、全編に渡り、情報編集力について書かれています
また、藤原和博さんに多大な影響を与えた本に「天才!成功する人々の法則」があります
【関連記事】
マルコム・グラッドウェル著「天才! 成功する人々の法則」を読んで
こちらの本に書かれている主なことは、「1万時間の法則」と「環境の大切さ」です
世の中に通用するくらいになるためには、1万時間を費やす必要があります
詳細は、上記の関連記事に書いてありますので省きますが、1万時間に達成するかどうか、その達成時期がいつになるのかが大切です
逆に言えば、1万時間を費やせば、どの分野でも1/100の人材になりえるということです
もちろん、ダラダラと1万時間費やしても1/100の人材にはなれないので、集中して打ち込む必要がありますが…
1万時間費やしたものが例えば2つあった場合は、1/100×1/100で1/10000と1万人に1人になれます
さらにもう1万時間を費やしたものができれば、100万に1人になれますね
1つの分野を突き詰めるよりもスキルは掛け合わせで、オンリーワンを目指すということです
これからの時代は単純作業「情報処理力」が発揮されるものはAIに置き換わっていきます
「情報編集力」はまだまだAIに置き換われない、人間にしか出来ない仕事が多くあります
AIを活用しながら、仕事をしていける人間になるのか、AIに使われる人間になるのか
これからは、人間らしさがより問われる時代になります
情報編集力は、自分で考えて、創造力を発揮する力でもあります
AIの一部として働くか、それともAIを使って人間らしさを発揮して働くか
これは近未来の話ではなく、姿が見え始めている未来です
2020年の5Gが大きく時代を変えると言われている中で、残された時間は多くはありません
1万時間の法則を意識して、「情報編集力」を意識的に鍛えるか、社会人になったら勉強しなくていい時代なんて、とっくに終わっています
現代は書を読みながら町へ出る時代なのですから