アイデアの直前 ---タグボート岡康道の昨日・今日・明日を読んで
このところ非常に注目している人物が3人います
その3人とは
・落合陽一さん
・前田裕二さん
・岡康道さん
落合陽一さんと前田裕二さんは時の人なので、注目している方は多いと思います
私もブログでお2人の本をご紹介しています
【ブログ記事】
落合陽一著「日本再興戦略」-天才が掲げる日本の未来に期待を持つための再興戦略ー
落合陽一・堀江貴文著「10年後の仕事図鑑」を読んで 子供がいる方にオススメです
前田裕二著「人生の勝算」を読んでー人生にやる気を出すために読む本は?
最後の岡康道さんはタグボートの代表で、CM業界にその名を轟かしている人物です
映像業界にいる人間にとっては、もの凄い人なんです
タグボートが制作したCMの数々を見ると、ある意味で時代を動かしているマイノリティー集団といいますか、尖り切ったCMを世に出しています
長いシリーズも多く、妻夫木聡さんが出演されているサッポロ黒ラベルの「大人エレベーター」シリーズもタグボートが手掛けたものです
タグボートに所属している多田琢さんは私のヒーローです
……岡さんではなんですよね。私のヒーローは……
そんな一時代を築いた岡康道さんになぜ今注目しているかというと、CMも面白いのですが読み物がとんでもなく面白いんです
【関連記事】
岡康道・小田嶋隆著「人生2割がちょうどいい」人生を豊かにする本
岡康道・小田嶋隆著「ガラパゴスでいいじゃない」で見える超一流の思考
同級生の小田嶋隆さんとの対談本シリーズは、人生に役立つか分からないけれど読了後に心が豊かになれます
今回読んだ本は「アイデアの直前」というタイトルだったので、CMの仕事に関する内容が書かれていると思い込み、中身を見ずに読み始めたのですが……
見事にダマされましたw
もちろん仕事に役立つことも書かれているのですが、岡さんの情けない日常生活がふんだんに書かれていて、読んでいて非常に面白かったです
重鎮でありながら、ここまで情けない姿をさらけ出す方も珍しいのかなと
映像業界にいるなら岡さんの仕事術に興味あるはずです
どストレートな仕事本を出してもいいように思うのですが、この先どれだけ岡さんの本を読んでも行き当たらないような気がします……
岡さんの本を3冊読んでみて、こうなったら行き当たらなくていいんじゃないかと思い始めました
私がこの本を読んで1番面白かったのは
「24」をDVDで見始めて、シーズン1の最後のDVDでようやく1枚のDVDに2話入っていると気づいたという話です。
奇数回しか見ずに、とんでもなく難解な話だとメモまで取ってドラマを見ていたのに、最後の最後で1話飛ばしで見たいことに気づいた絶望感。
こんなエピソードが満載の本でいて、これまでは岡さんの成果物に注目していましたが、今は成果物以上に岡さんそのもののファンになっている自分がいました
これって、前田裕二さんやキンコン西野さんが言っている「スナック」が持つ「余白」と同じなんだろうなと
「情けないエピソード」や「自虐的なエピソード」のようなネタになる話って、その人そのものを表現しているわけではないのに、グッと身近な存在に思えたり「自分の物語化」
応援したい気持ちになり、もっと岡さんの本を読もうと思う気持ちになります「エンゲージメントを高める」
すごく人間的なんですよね
そして自分に素直に生きているんだなと、本のエピソードを含めて思いました
私はプライドの高い人間です
自分の情けないエピソードや弱点のようなものは、なるべく人目から遠ざけてきました
岡さんの本を読んで、これからは情けない姿やエピソードをバンバン披露していきたいと思います
メディア化される時はどうしても成功体験例やありがたいお言葉になりがちですが、皆さんトライ&エラーを繰り返して、大衆とさほど違わない苦しみを味わっています
成功される方とそうでない方の違いは、自分を低く見積もり、圧倒的な努力ができているからです
プライドが高いというのは、今の自分を高く見積もっている状態です
それでは守りの態勢になってしまい、自分を変化することよりも保守するようにベクトルを向けてしまいます
成功している人たちは、それぞれの信念を持ち、圧倒的な努力をしています
明石家さんまさんが以前ラジオで努力について触れています
「好きだからやってるだけよ、で終わっといた方がええね。これが報われるんだと思うと良くない。こんだけ努力してるのに何でってなると腹が立つやろ。人は見返り求めるとろくなことないからね。見返りなしでできる人が一番素敵な人やね」
これは一見努力を否定しているように聞こえる言葉ですが、実は「圧倒的な努力」ができる人とできない人の違いを言っているんだと思います
努力を努力だと思ってやっているか、好きだからやっているか
つまり「意識的な努力」は努力とは呼べず、好きだから「熱狂してやっている」
そうしたら成功していたくらいに夢中になれよ。という意味ではないかと。
もの凄く集中しているときや面白いと思えることをしている時は、周囲の目線など気にならず、目の前のことしか見ていません
そんな状態になることが「圧倒的な努力」なんだろうなと
岡さんは30代はワークホリックだったと言っています
これだけ人生上手くいっていないようなエッセイを書いている岡さんも仕事に対して並々ならぬ努力をしています
だからこそ、情けない姿が人を惹きつけるんだと思います
高倉健さんの言葉ではないですが「自分、不器用ですから」は、人を惹きつけるんだなとこの本を読んで学びました
つまらないプライドは捨てて街へ出よう