読書タイムイズマネー

読書で学んだこと体験したことをブログで綴ります

中村俊輔著「サッカー覚書」は人生の指針となる覚書でした

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中村俊輔著「サッカー覚書」を読みました

 

 

この本は中村俊輔選手のサッカーに対する考えや想いが書かれた本です

 

プロスポーツ選手は好きなことを仕事にしている代表のような方たちです

 

好きなことを仕事にできる生き方は羨ましいと思える反面、やはり勝負の世界で第一線で活躍し続けるには、相当の覚悟と信念を持たなければ難しいと改めて教わりました

 

そんな勝負の世界で40歳にしてなおJ1リーグで活躍し続けられる秘密が垣間見れる本です

 

 

変化し続けること

 

サッカー覚書は2010年の南アW杯の後からインタビュー形式で書かれた本です

 

内容は多岐に渡り、南アW杯への想いから代表引退、海外での話から横浜FMジュビロ磐田への移籍から1シーズンを通しての戦いまで、多角的にサッカーについて書かれています

 

サッカー好きなら中村俊輔選手の考えや経験を追体験できるだけでも、十分に読み応えのある内容ですが、この本はそれ以上に人生や仕事について考えさせられる内容です

 

その中で興味深かったことは、中村選手が常に学ぶ姿勢でいることです

 

サッカー選手としてかなりの経験値を有していながら、思いついたことや学んだことはサッカーノートに記し、海外だけでなくJ2、3の試合を観て貪欲に吸収しようとしている

 

サッカー小僧とかサッカーが好きというレベルではなく、サッカー選手である以上、常に上を目指し続ける姿勢

 

自分で自分の限界を決めないこと

 

40歳にしてなおやりたいことが多すぎて時間がないと言える向上心の塊

 

そんな姿勢で何かをし続けることは、中村俊輔選手だから出来るわけでもサッカー選手だから出来るわけでもなく、本来なら自分たちにでも出来ることです

 

ただ、出来ないと言い訳して諦めているだけなんですよね…

 

常によくなろう成長しようという姿勢でいるということは、常に今の自分を超えていくということです

 

これは自己保身の姿勢では出来ません

 

常に変化を求めるからこそできる姿勢です

 

メンタルがいかに大切か

 

中村俊輔選手の代名詞にFK(フリーキック)があります

 

FKで大切なのはメンタルだと言っています

 

いかにGKよりもメンタルで上回れるか

 

また、「経験で蹴る」か「感覚で蹴る」かというのも面白い話でした

 

FKは相手GKとの駆け引きで、いかに相手の虚を突けるかがポイントです

 

中村選手は試合前に相手GKを把握し、試合中にも相手GKを観察しながらタイプを探りFKを蹴る時と、蹴ることに集中して蹴るのを分けているそうです

 

日本のGKは読んでくるタイプが多いため、ただいいところに蹴ることだけに集中すればいい海外GKよりもやりにくいという話も面白かったです

 

GKの駆け引きに勝つことは、試合中にGKよりもメンタルで上回れるかが大切だと言っています

 

本田選手とFKを取り合う場面が有名ですが、あそこで本田選手に譲るようなメンタルでは、相手GKにメンタルで上回れるわけがない

 

だから、あの場面では譲るわけには行かなかったと

 

数々の大きなプレッシャーの中で戦ってきた中村選手でも、メンタル面を大切にしていて、自分のメンタル面を常にケアしているそうです

 

日常を生きていて中村選手のようなプレッシャーと戦うことはないかもしれませんが、メンタルコントロールはよい結果を出すためにはとても大切で、そのために自分のメンタルの揺れや状態を冷静に理解することが大切です

 

名波監督との出会い

 

サッカーファンなら誰もが衝撃を受けた中村俊輔選手の国内移籍

 

移籍を決断した当時の心境も赤裸々に書かれています

 

中村選手の中で国内移籍はあり得ないと思えていたほどの横浜FMへの愛

 

移籍は中村選手にとっても苦しい決断で、自宅から磐田に向かう車の中で何度も複雑な心境に襲われるそうです

 

それでも移籍を決断したのは、名波監督だったからと語っています

 

中村選手もサッカー選手としての終わりは意識していて、指導者としての道も意識しながら日々を過ごしているそうです

 

サッカーに集中できない環境となった横浜FMを去り、ジュビロ磐田に移籍を決断した理由は、名波監督の指導法を直接体験したかったから

 

名波監督の下でならもう一度サッカーに集中できそうだから

 

名波監督の指導方法は選手が自ら「道」を作っていく指導法だそうです

 

細かな気配りをしながらも、選手には自ら考えて道を作っていく

 

様々な監督の下でプレーしてきた中村選手は、選手としてだけでなく指導者目線でも、名波監督との出会いは大きかったようです

 

プレーでチームを引っ張るだけでなく、5年後・10年後に優勝争いが出来るチームの土台を作るために

 

日本代表で「10番」を背負った2人がどのようなチームを描いていくのか楽しみです

 

また、中村俊輔選手が貪欲に吸収していこうという姿勢があるからこそ、たくさんの出会いがあるのだなと思います

 

「サッカー覚書」はサッカー選手としての中村俊輔選手だけでなく、人間としての中村俊輔選手も多く垣間見られました

 

  • 中村俊輔選手のサッカー観を知りたい方
  • 中村俊輔選手の人間性を知りたい方
  • 中村俊輔選手のような一流の選手がどのようなマインドで日々を過ごしているかを知りたい方

 

サッカー小僧からビジネスマンまで幅広く学べる本です