小田嶋隆著「コラム道」は言葉の迷宮に迷い込む素敵な道
小田嶋隆著「コラム道」を読みました
小田嶋隆さんを知ったのは今年に入ってからで、下記の本をたまたま読んだのが出会いです
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上記の本はどれもバカバカしく、ただただ面白い本です
電車の中で読んでいて、何度か思わず笑ってしまいました
岡康道さんは私が20代のころに憧れていたTUGBOATの代表取締役なので、その後もいくつかの本を読みました
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小田嶋さんもとてもオンリーワンな感性を持っている方ですね
お2人の対談本を読んだのに、小田嶋さんだけ読まないのは何となく気が引けたという良心の呵責によりこの本を手にしました
コラムを書く上でおそらく参考になる本です
おそらくというカッコつきなのは内容はとても分かりやすいのですが、語り口がどこか哲学者めいています
ゴールが見えたので行ってみると、実は新たな迷宮の入り口だった
という感じの文体で、面白いんですけどね、そしてとても参考になるんですけどね
書かれていることを素直に参照にしていいものなのかという疑問を、常に抱えながら読み進めてはならないという、ある種あまのじゃくな内容で
もしかしたら、読み手の私があまのじゃくなだけなのかもしれません
私はこういう人を煙に巻く書き方は好きです
「分かりやすくて参考になるわぁ」
という感想を持つ本は、いつの間にか記憶から滑り落ちているケースが多いです
下記は最近読んだ、分かりやすくて参考になると思った本です
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ただ、こちらの本は記憶から滑り落ちていません
それは、記憶ベースで覚えている内容ではなく、魂が揺さぶられるような内容で、自分の思考や世界が広がる感覚になったからです
内容の良質さはもちろんですが、それ以上に作者の生き方や信念に触発されました
では、小田嶋さんの「コラム道」はというと、魂や信念に触発される部類ではないです
というのも、小田嶋さんは意図的に魂や信念という部分を隠し、哲学的な要求を求められているように感じるからです
コラムを書く上で大切なことのヒントは教えるけど、大前提として自分で考えよ
と言われている気がしてなりません
……そういう信念に触発されたと言えば触発されたのですが……
言葉で書かれたもので、言葉の迷宮に迷い込む
小田嶋さんの文才は、ひねくれてるが故にクセになるところです
本を読み進めていくと、文章に対するとんでもない知識量が垣間見るし、文章に対するこだわりが伺えます
この本を読んで、どこが自分の血肉になったのか分からないというのは、読み手としての敗北を意味します
それだけ、この本の作者は私よりも言葉に対する思考回数が多く、深いのだと思います
言葉を駆使した思考というフィールドでの敗北を味わったのは久しぶりで、清々しいですね
こういう本と出会えるから読書は止められないです
まだまだ思考回数も深さも足りていないと戒められました
最近、読書スピードが上がり、調子に乗っていたのでいい戒めになりました
お供にしたいBGM
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サザンオールスターズです
正直、普段はサザン聞きません。なので、あまり詳しくありませんが、サザンの歌詞やあの飄々とした感じが、この本の内容にマッチするのではないでしょうか
サザンにも、何故か敗北感を感じているのは、大変な驕りですかね。。。