中田敦彦著「天才の証明」を読んで得られる勇気
読書はある程度連続して読み、まとめ、アウトプットしないと身につかないということを実証するため、今年に入り本をひたすら読み続けています
中田敦彦著「天才の証明」は今年13冊目の本になります
約3ヶ月で13冊なので、1ヶ月4冊ペースは目標より遅いペースです
ただ、本は1時間で読める本もあれば、1週間かけても読めない本もあるので、目標を達成することに固執しないようにしています
ちなみに目標は1ヶ月で7冊です
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中田敦彦さんは、皆さんもご存知かと思いますが、オリラジのあっちゃんです
私は元々お笑いが大好きなので、オリラジが「武勇伝」で一気に売れた時からタイムリーに知っています
オリラジに対する感想は
「正直お笑いの才能はない」
というのも、アラフォー世代はお笑いに対するレベルが、正直ほかの世代よりも高いという自負があります
小さな頃からドリフターズを見て、ひょうきん族を経て、ダウンタウンに至る道を、それがお笑いだと当り前のように見せつけられてきた世代です
日曜日は「ごっつええ感じ」→「電波少年」→「ガキの使い」という黄金ルートを毎週見てきた世代です
「武勇伝」を見て、面白いと思える世代ではありません
だからこそ、オリラジが未だに芸能界で活躍していることに驚いています
「天才の証明」はあっちゃんのお笑い界での生き残り戦略が書かれている本です
特に「PERFECT HUMAN」について、かなり細かな戦略が書かれています
天才の証明を読んだ後でも、「PERFECT HUMAN」がお笑いかどうかと聞かれると、答えようがないのですが、始めてテレビで「PERFECT HUMAN」を見たときの感想は、「とんでもない角度から攻めてきたな」でした
私はお笑いでもなんでも自分の感性を超えたものは、拒絶しないように心がけています
理論的につまらないことを説明できない限り、本当につまらないか分からないからです
「武勇伝」は正直つまらないことを理論的に説明できたので、オリラジはお笑いの才能はないと思えましたが、「PERFECT HUMAN」になってくると、つまらないことを論理的に説明できません
そもそもお笑いかどうかも説明できなかったので
「天才の証明」で面白かったのは、あっちゃんは本人が気づいていない良い部分を見抜く力があるというところです
相方の藤森さんの良さを見抜き、ダンサーの弟の良さを見抜き、ひとつのものを作り上げているというところです
あっちゃんは無類のお笑い好きなのだと思います
お笑いに対して徹底的に憧れている人物なのだと、そして、従来のお笑いと呼ばれているものに対して、一流になれるほどのセンスがないことに気づいている人物なのだと、本を読んで分かりました
本の中で、コントを徹底的に勉強した時に、ラーメンズ、バナナマン、千原兄弟などが大好きで勉強したと書いてありました
お笑いが大好きでお笑いのセンスがなければ上げられない3組ですし、徹底的に勉強してなお上記3組のようなお笑いができなかったということは、ロジカルな部分は似せられるかもしれないけれど、感性の部分では追いつけないということだと思います
つまり、既存のお笑いの才能はないということです
ただ、オリラジのスゴさは、そこで自分はお笑いの才能がないから諦めなかったところです
生存戦略として、どこに自分たちのポジションがあるのかを、懸命にさがしたところ、上記に書いたように、あっちゃんには周りの良さを見抜く力があり、テレビでそれぞれのキャラクターとしての地位を築けました
ただ、それはタレントとしての地位であり、お笑いの地位ではありません
そこであっちゃんが目をつけたのがオリラジの原点回帰であるリズムネタということと、メディアがテレビ一極時代ではなくなり、タレント自らが発信元になれるという気づきでした
PPAPもそうですが、テレビで取り上げられた段階でピークを過ぎているという時代です
もちろんテレビがブームのブーストに未だになっていますが、テレビに取り上げられるということは、それだけ消費スピードが上がるということです。8.6秒バズーカも一瞬でブームが過ぎ去りました
ということもあり、オリラジは「PERFECT HUMAN」が話題になったあと、意図的にテレビ出演を控えたというのも、素晴らしい戦略です
ある種、オリラジは弱者戦略で現在の地位を獲得しました。そして、芸能という狭き門でも、王道以外の道を自ら開くことを証明したのです
3度目ですが、オリラジは笑いの才能はありません
ただ、オリラジのスゴさは才能がないことを認めた上で、お笑いの世界で生き残る戦略を考え、実際に生き残ったということです
これは、王道では生きられない人にとって、非常に勇気づけられる本です。自分には才能がないと諦めたり、落ち込んだりする必要はなく、生存戦略を必死に考えれば、自分が望んだ状況ではないにせよ生き残れるということです
このところ多くの人達が言っている、「好きなことを仕事に」は理想論ではなくて、生存戦略を必死で考えて行動するという前提で、誰もが成立させうるということなのです
という意味で、この本は非常に多くの人を勇気づける本ではないでしょうか
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天才の証明のお供にしたいBGM
このBGMに特に意味はありません。ただただ、最近好きだから紹介したのみです
というように、自分が好きな音楽を聴くのがこの本には合っているのではないかと