映画「聲の形」を観てリスクを取る大切さを学ぶ
2回目の映画版「聲の形」を観ました
この映画はイジメのシーンがかなりの量があり、全体的に決して明るくない映画です
3人の子供たちと観ていて、特に長男(小1)がどんな反応を示すのか気にしながら観ていたのですが、小学生の頃のイジメのシーンを見て
「ただ、友達になりたいだけじゃん」
と言ったのが印象的でした
長男のように人間関係をシンプルに考えられたら、イジメなんてなくなるのになと思いながら、小学校高学年に上がる頃になっても、同じように考えていられるように接してあげなくてはいけないと、親としての責任がより強くなりました
私はリスクを取ることの大切さが描かれた映画だと、感動しながら観ていました
隣に子供がいなかったら泣いているシーンが何カ所もあり、いい映画だなと思います
ご覧になっていない方はぜひご覧ください
聲の形を観ていない方のためのあらすじ
ネタバレもあるので、全く情報を入れたくない方は飛ばしてください
聲の形を一言でいえば、「破壊と再生」の話です
物語は主人公が自殺を考えているシーンから始まり、実際に自殺しようとするところまでがオープニングとして描かれています
自殺の原因は、小学生の頃に聴覚障害を持った転校生をイジメたことがキッカケで、逆にイジメられるようになり、高校生になってからは人の顔が見れなくなっていることです
自分がイジメたことが原因なので、主人公は誰かを恨んでいることはありません
あくまでも、良心の呵責に耐え切れなくなったんだと思います
主人公は自殺をすることを思いとどまり、その後、イジメていた女の子に会いに行きます
そこから、主人公と聴覚障害を持ったヒロインを中心に、元々仲が良かった小学校の同級生の絆の再生が始まります
主人公がリスクを取ったから物語が始まる
映画では淡々と描かれていましたが、主人公が元々イジメていたヒロインに会いに行くのはもの凄い勇気が必要だったと思います
主人公は自殺することを止めたことで、何かが吹っ切れてヒロインに会いに行く決意が固まったんだなと
ここにリスクを取る秘訣があります
リスクを取るには、恐怖に打ち勝つことが必要です
主人公は自殺しようとするくらい、人生に絶望していたわけです
ただ、自殺を止めたことで、生きることにリスクを取れるようになった
生きるという恐怖に対してリスクを取ったわけです
だからこそ、主人公はヒロインに会うことができた
ヒロインに会うというリスクを取ったことで、これまでにない行動をするようになった主人公は、友達ができ、小学校からの同級生で、高校のクラスメイトに話しかけられるようになりました
これまでは勇気がなかっただけで、主人公はずっとヒロインに会いに行こうとしていたんですよね
手話を覚えたということがその証拠です
主人公はヒロインに会うリスクを取るために、どうしたらいいのかを考え、手話を覚えるという行動をしていたわけです
リスクを取るために、事前準備をするというのが、ある意味で正しいリスクの取り方なんですよね
無防備にリスクへと飛び込むというのは、ただのギャンブルです
主人公はしっかりと仮説を立てて検証していたわけですね
ヒロインと話をするためにはどうしたらいいのかという「命題」に対して、手話を覚えたら話ができるかもという「仮説」を立てて、実際に会って「検証」したわけです
……うーん、我ながら硬い見方をしたものです
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子供のような純粋性を維持した主人公
ストーリーはある種の王道パターンで、絶望から希望、そして絶望…2度目の絶望を乗り越えて希望が始まる
家族以外と会話らしい会話をしなかった主人公は、同級生との会話が新鮮で、周囲の同級生は主人公よりもずっと大人なんですよね
主人公は子供のころから時間が止まっているので、どこか純粋で、駆け引きのようなものが出来ない
そこのピュアさにみんなが惹かれていくし、主人公のピュアさと周囲の同級生たちとの間にギャップがあったりします
閉ざされた空間を1人で生きているという意味で、主人公とヒロインのみが純粋なんですよね
このパターンは「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」も同じパターンですね
聲の形は学園モノの王道パターンなんですよ
王道パターンがゆえに感動するんです
聲の形から学んだこと
聲の形から学んだこと
- 自分を変えたければリスクを取れ
- 純粋さを忘れるな
この2点ですね
視聴する方によってはもっと人間関係とかそういうものを学べると思います
「あの花」よりも「聲の形」の方が全体的に静謐という言葉がよく合う雰囲気でした
小説家でいえば川端康成の雰囲気ですね
実写でいえば岩井俊二監督の「PiCNiC」に近いと言えば近いのかなと
どれも名作ぞろいですし、どれも主人公がリスクを取って物語が始まります
……というよりも、物語は主人公がリスクを取らない限りは始まらないということですね
リスクを取らなきゃ物語は始まらない
これ、実生活でもとても重要な学びだと思いませんか?
自分の人生に豊かな物語を加えたいなら、彩り豊かな人生にしたいなら
「リスクを取れ」