読書タイムイズマネー

読書で学んだこと体験したことをブログで綴ります

宇野常寛著「遅いインターネット」を読んで

宇野常寛著「遅いインターネット」を読みました 

 

この本は、本という形式をとった提案書になっています

 

なぜこの時代に「遅いインターネット」が必要なのか、この時代とどのような向き合い方をするのがいいのか

 

まだ答えが出ない中での提案書

 

情報革命が起こり「速いインターネット」により、生活そのものが変化した時代

情報革命以前と以後の世界を両方とも体験している我々が、以前の世界から脱却しつつも現代社会の波に飲み込まれずに生きていく提案

 

もはや日常の中心にある「インターネット」との向き合い方、現代社会がどのような対立軸で形成されているのか、また20世紀「映像の世紀」から21世紀「インターネットの世紀」に時代が移り、我々の日常がどのように変化したのか

 

時代とインターネットと日常を客観視して、自分たちが現在どのような立ち位置にいるのかを改めて見直すきっかけになる本

 

古い枠組みから新しい枠組みへと移行している中、過去を否定するのではなく、過渡期であることを意識して、新しい枠組みを受け入れること

 

そして、想像以上に我々はインターネット・SNSに無意識的な依存をし、変化を変化と感じないままに生きている

 

「遅いインターネット」は、情報という大きな波に飲み込まれないための灯台になるほんではないかと思います

 

無意識的な変化を表装意識にすくい上げ、意識的なものへと変えていく

世界を直接触れる感覚を身につけるために

 

この本を読んでいて、ふと頭によぎった本

安部公房著「死に急ぐ鯨たち」

 

 

91年に書かれた本とは思えないほどに、現代社会に当てはまる内容が多く書かれています

 

三権分立ではなく四権分立にして、教育を司法行政立法から切り離すという提案・国家の在り方、文明の在り方が書かれた本

 

「遅いインターネット」と「死に急ぐ鯨たち」

 

速すぎる時代の流れの中、現代を生きる我々の指針になり得る本と出会いませんか?