読書タイムイズマネー

読書で学んだこと体験したことをブログで綴ります

サンディホチキス著「結局、自分のことしか考えない人たち」を読んで学んだこと

「結局、自分のことしか考えない人たち」を読みました

 

いやぁ、自分はかなり当てはまっているなと。。。

 

この本は正常ではない自己愛の持ち主がどれだけ周囲に害を与えているか、自己愛(ナルチシズム)という症状を詳細に書かれています

 

また、どのようにして自己愛人間が出来上がるかのシステムと対処法も書かれています

 

自己愛人間について学ぶことで、ビジネスマンだけでなく、子育てや周囲の人たちとの関係を見直すきっかけになりました

 

また、自分がどれだけ周囲に迷惑をかけていたかということも…現代社会に生きる全ての人にオススメの本です

 

 

 

自己愛人間の7つの大罪

 

自己愛が正常ではない人の特徴として上げられているのが、以下の7つです

1,恥を知らない
2,つねに歪曲し、幻想をつくりだす
3,傲慢な態度で見下す
4,ねたみの対象をこき下ろす
5,つねに特別扱いを求める
6,他人を平気で利用する
7,相手を自分の一部とみなす

 

皆さんが自己中な人間だなと思う人はどういう人でしょうか

 

上記の7項目で自己中だと思える行動は、ほぼ網羅されているのではないかと思います

 

7つの内で、より重要と感じたものをピックしていきます

 

1「恥を知らない」

恥を知らないというのは、恥に対して無頓着ということよりも、恥に対して過剰に反応するという意味です

 

言い換えればプライドが異常に高い人間です

 

少しでも恥をかかされたと感じると猛烈に怒り、相手を攻撃する人

 

DVや権力を振りかざす人も、恥を知らないに当てはまります

 

恥をかかされた=自分が攻撃をされたと思い対象者に必要以上の恥をかかせようとしたり、逆に自分の正当性を訴えたりします

 

恥を知らないと5の「つねに特別扱いを求める」というのは、感情的に近いのかなと

 

  • 職場で周囲からは仕事が出来ないと思われているのに、本人は仕事が出来ていると思っている
  • いくら注意されても変わらない人は、自分自身に特権意識がある
  • 何かに失敗しても自己責任を負わず、周囲の何かのせいにする

 

こういう人が、新人クラスならダメな新人で済まされますが、社会的な権力や会社内で上の地位にいる人が、特権意識を振りかざす時はかなり注意が必要です

 

また、自分は悪くないという意識が強いので、2の「つねに歪曲し、幻想をつくりだします」

 

自分が出来ないのは〇〇があったからだとか、〇〇のせいで出来ないなどと、現実を直視せずに、周囲に対して傲慢になったり、被害者意識を強く持ちます

 

それが、3の「傲慢な態度で見下す」に繋がっていきます

 

7「相手を自分の一部とみなす」

自分と他人の境界が曖昧で、他人のものまで自分の所有物のように扱い、また他者は自分を要求を満たすためにあるという考えがあり、他人を思いやれない人間

 

思いやりも優しさもなく、6の「他人を平気で利用する」

 

時に、自分を曲げずに突き進む姿がカリスマ的だという賞賛に変わり、平気で人を利用できるので、自己愛人間が社会的に高い地位にいることが多いそうです

 

また、自己愛人間は利用できる人たちを探しているため、逆に自己愛が低い人間が利用されてしまう

 

恋は盲目とは言いますか、相手の成功が私の幸せという話は美談なのかもしれませんが、相手が自己愛人間だった場合は、互いの成長にはならず、利用する者とされる者に別れてしまいます

 

カリスマ社長の下で、社員が私生活を犠牲にして働くということも、搾取する側と搾取される側に分かれるいい例ではないでしょうか

 

自己愛人間が生まれる原因

もっとも大きな原因は、両親または片親が自己愛人間だった場合に、子供が自己愛人間になってしまう可能性がかなり高い、または自己愛人間に利用される人間になりやすいとのことです

 

私も子供がいるので、こちらはかなり堪えました

 

しかも、子供が自己愛人間にならないための教育というかしつけは2歳までにある程度決まるそうです

 

子育てのポイントとして上げられていたのは、子供に恥を必要以上にかかせないということと、親子の境界をしっかり保つという2点です

 

子供の成長にとって、当たり前ですが父親より母親の方が繋がりが深く、母子関係が正常であれば、子供は自己愛を正常に保つことができます

 

2歳までにある子供の全能感や無敵感を、いかに現実的なところに落とし込むかが親の役割です

 

つまり、大人になっても自己愛が強い人間は、2歳児の全能感や無敵感を未だに持ち続けている人間であり、自己中を子供みたいなというのは、そのまま当てはまる言葉です

 

日本人に自己愛人間が多くなったのは、大人の自信のなさが思い切り出てしまったような気がします

 

昔は父親の前では子供は正座して過ごすというのは、今ではやりすぎかもしれませんが、大人が自信をなくして、子育てが出てきなくなってしまったのかなと

 

そのいい例が、母子がまるで友達のように接するという、あの感覚です

 

2人の間の大人と子供の境界が曖昧で、しかも、子供に大人の特権を渡してしまっています

 

もっと大人は大人として振舞うことをしなくてはいけないですね

 

自己愛人間と付き合うためには

 

自己愛人間と付き合うために必要なことは、自分を知るということです

 

自分の弱さや強さを把握しておくことで、自己愛人間に惹かれることがなく、利用されにくい

 

また、周囲に居る自己愛人間に必要以上に気にならなくなり、扱い方がわかってくるということです

 

また、自分を知り、境界をしっかり保つということ

 

境界や態度を決めたらブレないということ

 

この本を読んで、自分を含めて周囲を見渡すと、かなりの自己愛人間がいるなということが分かりました

 

これは、自分が自己愛人間なので、周囲に自己愛人間を引き寄せてしまっているということもありますし、相対的に自己愛人間が増えてきているという社会的な問題も上げられます

 

昔の社会に比べて、どこかに属すということが少なくなりましたし、属した組織が昔ほど強くないということが上げられます

 

また、教育の問題も取り上げられており、競争をなくして自尊心を高める教育により、より自己愛人間を作っていると

 

必要以上に競争を煽るのはよくないですが、競争により自分自身の立ち位置を把握し、得意不得意を知る

 

自己愛人間の特徴である特権意識を強固にしないためにも、家庭、学校はより強固に結びつかないといけない

 

……ただ、モンスターペアレンツが問題になっているように、親の自己愛化が進み、自分たちは悪くないと思っている親が多くいることも事実です

 

どこかで、自己愛人間に対して本気で取り組んでいかないと、社会はますます自己中心に進み、組織の崩壊や国規模になると戦争というところまで発展しかねない問題です

 

結論

「結局、自分のことしか考えない人たち」はビジネスマンだけでなく、子育て中の親や教育者と幅広い方にオススメの本です

 

倫理観という大きな観点だけでなく、自己愛を他人に向けることがいかに重要かが分かりました