読書タイムイズマネー

読書で学んだこと体験したことをブログで綴ります

ナシーム・ニコラス・タレブ著「ブラック・スワン[上]]―不確実性とリスクの本質を読んで

約10年前に話題になった本「ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質」を読みました

 

内容は経済がメインになっていますが、モノの考え方として、ブラックスワンの考え方は重要です

 

現代のスピードが早すぎるので10年前というと、かなり古く感じられる人もいるかもしれませんが、社会の本質は100年単位でも変わっていません

 

100年変わっていないと考えれば、10年前の良質な本は時代は現代にも通じます

 

最先端を追いながらも過去に目を向けていかないと、まさにブラックスワン(予期せぬリスク)が起こったときにパニックになる可能性があります

 

現在はいつ何が起こってもおかしくない世の中なので、ぜひ「ブラック・スワン」を読んでリスクに備えることをオススメします

 

 

 

ブラック・スワンとは

 

ブラック・スワンとは読んで字のごとく黒い白鳥のことです

 

白鳥は漢字が表しているとおり白い鳥をイメージする方が99%以上だと思います

 

西洋でも白鳥は白い鳥以外にいないと思われていましたが、オーストラリアで黒い白鳥が発見されたことで、白鳥=白色ではなくなりました

 

これまで絶対的だと思われていた白鳥=白色がたった一匹の黒い白鳥が発見されたことにより、これまでの前提が覆ってしまったという話から、ブラック・スワン=全く予期せぬ不足の事態という意味で使われています

 

人は未来を予測できない

 

この本のキーワードは人は未来が予測できないということです

 

現代から過去に起こった出来事に理由付けをするのは、意味がない行為だとしています

 

ロジカルに過去の出来事を考えても、起こったことを前提としているからただの正当化だと作者は言います

 

それを証明するのが、未来を予測する経済学者etcの予測がどれだけ当たっているのかを考えたらいいと

 

たしかに、9.11やリーマンショックを予想することは不可能ですが、過去になって見てみれば、そのような大事件が起こる予兆はあったと見れます

 

現代→過去を見て正当化することで、人は未来も予測できるのではないかという幻想にかられます

 

この本の中で繰り返し言われている、月並みの国と果ての国

 

ブラック・スワンが起こりにくい状況とブラック・スワンが起こりやすいリスクがある状況という意味ですが、ハイリスク・ハイリターンの状況では予測することが難しいです

 

また、人は現代→過去を正当化することで未来予測を正当化し、ブラック・スワンが起こってしまった時にパニックになってしまいます

 

大前提として人は未来を予測できないことを知るということです

 

人の思考は極端に傾く

 

本の中で面白かった話として、リベラル派と保守派に政策について個々に聞いた時あとにそれぞれのグループで話し合いをし、グループとしての結論を出すと、話し合う前よりも政策が極端になったそうです

 

同じ考え方を持っている人たちで集まると意見が極端に傾くというのは納得です

 

昭和の大量生産・大量消費・マスメディアが上手くかみ合っていた時代にひとつのものが大量に売れたというのも同じ原理ではないかと思います

 

現代のように多様化した世界では、本が100万部売れることも音楽が100万枚売れることも難しい時代です

 

デバイスが多様化されたというよりも、マスの力が弱くなったと考えた方がいいのではないでしょうか

 

この話で何が分かるかというと、自分の意見など環境で大きく変わるということです

 

自分の意見など環境に左右されると考えたら、自分の意見に固執する必要が全くないということです

 

また、周りの意見も結局はその人の環境でいくらでも変わるということなので、周りと比べたり、必要以上に気にする必要もないということです

 

日本人は教育により均一化されながら、個人を持つようにという矛盾した環境にさらされ、自己喪失をしている人が多くいます

 

そういう方はスゴく真面目な方なんだなと思います

 

これまでの会社組織の中でしたら、そういうマジョリティーにいられる人たちが出世できる環境でしたが、今後はいかに自分が自分でいられるかが重要な時代になっていきます

 

矛盾しているように聞こえますが、自分が自分でいるために、自分の意見はたいしたことないということを理解しておくことが重要です

 

自分の意見がたいしたことないと分かっているから、人は学ぶことができるし、素直に人の意見を吸収することができる

 

インプットを増やしてから改めてそのことについて考えればいいのです。すくない情報の中で、自分の意見を作ること自体が問題なんだと思います

 

リスクをどう回避するか

 

リスクを回避するためにどうしたらいいのか

 

はっきり言ってリスクは回避できません

 

リーマンショックを回避できたのか、9.11を回避できたのかと言われたら回避できません

 

バブルが弾ける兆しがあったかというと、あったのかもしれませんが失われた20年と言われる程に日本経済が傾くとは誰も予想していなかったと思います

 

国家規模で揺らぐ出来事など回避できないのです

 

その中で回避しているように見える方たちが何をやったのかというと、マスに流されなかった人たちだと思います

 

つまり、ブラック・スワンが起こるまでに、マスとは違う行動ができていたのか、自分で考えて周囲に流されずにいられた人、また自分が信用できる人の情報を信じ切れたかどうかではないでしょうか

 

ビットコインの出始めの頃は、これが流行るとはとても思わないというのが世間的な流れでしたし、今でも仮想通貨は危ういという声が多いです

 

その声に何も考えずに流されるのか、自分で調べて信用する人たちを見つけて、仮想通貨の本番はこれからだから今こそ投資しようとするのかは自分次第です

 

ブラック・スワンは起こるまで誰も予測できないのですから、起こってしまってしまったら、臨機応変に対応するしかありません

 

そのためにも、自分が正しいと思っている考えなどたいしたことないのだから、どんどんと学んで行動するということが、リスクを負うようで実は1番のリスク回避なのです

 

ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質

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チョコレートディスコを聞いた時、自分にとってパフォーマンスから音楽まで全てがブラック・スワンでした

 

チョコレートディスコの頃は、まだテクノポップはサブカルでしたし、パフュームも声を変えて歌っていました

 

中田ヤスタカ氏の音楽のポップさと重厚さ、またパフュームのパフォーマンスは、サブカルでもメジャー寄りな人たちの火をつけ、マスではない売れ方をした稀有なユニットです