無秩序な世界育った子供は当たり前だが無秩序になる
9/9に放送された情熱大陸「NPO職員 松永晴子」を観ました
松永さんは現在、シリア難民キャンプで、紛争や避難生活で傷ついた子どもたちに教育を通じた心のケアをしている方です
この番組を観ていて衝撃的だったのは、子供たちの無秩序ぶりです
思いやりの心が育っておらず、10歳前後の子でも3歳児と変わらないような我がままさです
私は3児の父親なので、幼い子供の様子は分かっているつもりです
子供は言葉を話す前から、分かち合うことを知っています
もちろん自己主張も強く、自分が好きなものはとことん好きだし、欲しいものを取られると泣きじゃくります
基本、自分のしたいことをするのですが、それでも譲り合うというか分かち合うことはできます
自分が食べてるおかずやお菓子を躊躇なく自分にくれたりします
人は本質的に共生ということを知っています
シリアの子たちはこの分かち合うという感覚を持ち合わせていませんでした
いじわるでやってしまう、どこか悪いことをしていると感じながらしているのなら分かりますが、シリアの子たちは純粋に無秩序でした
この番組を観ていて、育つ環境がいかに大切かが分かりました
シリアの子たちは戦争の中で育っています
戦争は人の命を奪うだけじゃなく
人としての尊厳や秩序や教育や心といった、人を形成する上で必要なものを奪っていきます
戦争は紛れもなく絶対的な悪です
大人が大人の都合でするならまだしも、子供たちにまで害を及ぼしてしまうもの
そして、戦争によって壊された子供たちが大人の年齢に育った時に、この国では何が起こるのでしょうか?
第二次世界大戦の終戦が宣言されてから、70年以上が経ちました
人の一生くらいの年月が経ち、戦争を知らない世代が増えてきたといいます
本当でしょうか?
世界大戦はなくなりましたが、局地戦で世界戦の代わりをしています
シリアの事情を調べるだけでも戦争を知ることができます
実体験はできませんが、戦争は現在進行で続いています
戦争を知らない世代という言葉が出てくるのは、当事者意識がないだけです
日本は戦後70年ではなく、現在なお戦争中なのです
世界平和を本気で願うなら、シリアの難民キャンプは他人ごとではなく
戦争の深い傷跡を追い、親たちが無気力になってしまった中で育った子供たち
戦争による負の遺産は、シリアの問題ではなく日本を含んだ世界の問題なのです
シリアに比べて日本は圧倒的に秩序だっています
もちろん無秩序よりも秩序がある方が平和ですし、安定も発展もあります
では、日本の教育は正しいかというと?です
自由とは無秩序の事ではなく、自立して物事を考えて生きていくことです
日本の秩序さは均一的な教育により、個性を育てない教育です
出る杭は打たれる社会です
シリアの子と日本の子のどちらに生活力があるかと言ったら、おそらくシリアの子の方が生活力はありますし、ハングリーです
シリアの教育と日本の教育どちらが悪いかどちらの方が受けたいかという二元論ではなく
人を育てるということをシステムチックにすることなく、親も自分の考えや感情を押し付けず、かといって完全放置するわけでもなく
子供たちを同じ立場の人間だと捉えて、自立していることをベースに付き合って行かないといけません
番組の中で、普段は松永さんの主宰する教育の場に来ない子たちが多く集まったイベントを開催した時の様子は、まさに無秩序でした
だれもがまともに席にも座らず、騒ぎ続ける
その中で、松永さんの教育の場に足しげく通う子たちは、松永さんの準備を手伝い始めたのです
番組の冒頭では無秩序にみえた子たちが、さらなる無秩序の中では秩序を発揮する
それはとても感動的な場面であると同時に怒りがこみ上げてくる場面でもありました
子供たちに落ち度はありません
子供たちにとっては、親と周囲にあるものが世界なのですから
世界が無秩序なら、子供たちは無秩序を受け入れて育ちます
だからこそ、シリアの子供たちは純粋に無秩序なのです
親の役割として、環境を整えることが重要なのだと分かりました
それは清廉潔白の中で育てるという分けではなく、柔軟な秩序の中で育てる
そのためにも親が何かに縛られるのではなく、受動的に生きるのでもなく、自立して自分の意思で生きることが大切です
そのためにどうすればいいのか?
先人たちの偉大な知恵を手にし、秩序を学ぶために本を読みましょう!
無秩序な世界で本を読むことはほとんどないと思います
何故なら学ぶ必要がないからです
自分が好きなことだけを主張する世界に、他者の思考や知恵は必要ありません
秩序だった世界を構築するために、本を読むことはとても大切です