前田裕二著「メモの魔力」を読んで―みんなの幸せを願う本―
前田裕二著「メモの魔力」を読みました
年末から売り切れ続出の注目書「メモの魔力」
昨今、発売日から売り切れ続出な本は記憶にありません
ここまでムーブメントになると読む前のハードルが爆上がりしてしまいますが、そのハードルを軽々と超える内容でした
2019年に初めて読んだ本が「メモの魔力」で良かったとつくづく思います
メモの魔力とは
「メモの魔力」というタイトルの通り、内容は全編を通じてメモについて書かれた本です
前田裕二さんの本は2冊出版されており、先に出版された「人生の勝算」を読んでいるので、「メモの魔力」がただのノウハウ本ではないだろうと想像していましたが、ここまで内容の濃い本だとは思いませんでした
前田裕二著「人生の勝算」を読んでー人生にやる気を出すために読む本は?
※「メモの魔力」だけでも十分に読み応えがありますが、キーワードとなっている「人生のコンパス」について「人生の勝算」により詳しく書いてあるため、先に「人生の勝算」から読むことをオススメします
「メモの魔力」はメモを取る効能やメモの具体的な取り方も書かれていますが、それ以上に夢の叶え方や人生をより豊かにする方法が書かれている本です
その具体的な方法が「メモを取る」ということです
前田さんは「メモを取る」ことで人生の軸を作り、己を知り、夢を実現しています
メモの魔力とは、人生をより豊かにするための魔法であり、「人生の勝算」を得るものです
事実→抽象化→転用
メモを取るというと、大切なことを忘れないようにするという意味合いで使っている人が多いと思いますが、前田さんのメモは事実を記録するだけでなく、その事実から他にも応用できるように抽象化し、別のアイデアへと転用することまでを意味しています
記録的なメモではなく、アイデアそのもののためのメモ
抽象化とは何か?転用するためには何か?は本の中で具体的に書かれているので、ぜひお読みください
特に抽象化は現代のキーワードになっている言葉です
抽象化とは何か?を理解するだけでも、読む価値がある本です
息を吸うようにメモを取る
前作「人生の勝算」を読んでいても思ったことですが、メモを取るということで夢を叶える魔力を得られるという話ですし、実際に前田式のメモの取り方を実践すると、これまで取ってきたメモとは比べ物にならない程、充実したものになります
前田さんと同じようにメモを取る方法を習うことは大切ですし、「守破離」でいうところの「守=やり方を真似る」ことでもありますが、メモの取り方以上にメモを取る姿勢まで真似することが大切なのかなと
本の中でも、メモを取る姿勢が人生に対する姿勢というようなことが書かれていましたが、前田さんのメモを取る姿勢を真似することで、メモの魔力はより増大するのだと思います
息を吸うような感覚でメモを取るためには、まずは圧倒的な努力が必要です
ただ、前田さんのような生き方をしたい人はそうした方がいいという話であって、自分の人生とは違うと思うのなら、圧倒的な努力までは出来ないという方は、自分なりの楽しみ方でメモの魔力を味わうのがいいですね
目標設定の明確化が重要なのは、その目標によって自分に必要なことが変わってくるからです
幸せな家庭を築くことが人生の目標の方が、前田さんのような仕事に対する圧倒的な努力ができなくて落ち込むというのはもったいないですし、一流の何かを目指しているのに、圧倒的な努力ができないのならば、どうしたら出来るようになるかから見つめなおした方がいい
そのために必要なことも、この本では書かれています
自己分析をどこまでやり切るか
この本には自己分析のための1000問が付属されています
自己分析の方法も、メモの取り方と同様に事実→抽象化→転用でしていきます
1000問とは膨大な量ですが、自分の事をとことんまで知ろうとするならば、1000問に答えることをしてみた方がいいのかなと
まぁ、膨大ですけどね……
「たこわさ理論」というものがこの本に書かれています
たこわさ理論とは、小学生に好きな食べ物を聞いた時にたこわさと答える人はいない。なぜならたこわさを食べたことがないから、というものです
つまり、自分が好きなことは過去に体験したものの中にあると
自己分析をするということは、己を深く知るということです
小さな時の自分はどういう自分だったのか、何が好きで何に夢中になっていたのか
自分のルーツを知っていくことで、本当に好きなものややりたいことが見つかる
また、自分が苦手なことや自分自身の感情も知ることができる
こうして、自分を知ることで人生の軸やコンパスを見つけていく
前作「人生の勝算」にも自己分析のエピソードが書かれており、昨年から自己分析を進めてみましたが、非常に重要なことだということが分かりました
自分のことは思っている以上に分かっていないものです
決断を下す時に、何を軸にして決めているか
案外、自分自身の意志ではなく他人の意志によって決めていることが多く、また今の自分を深掘りできるので、失敗や挑戦が怖くなくなります
なぜなら、失敗を恐れるのは自己否定につながるという気持ちがあるからで、自分を深く知ることができていれば、失敗が自己否定にならないからです
メモの魔力というタイトルの本に、自己分析がついているのは不思議な感じがするかもしれませんが、本を読み終えた時にはすぐに自己分析を始めようという気になっていると思います
「メモの魔力」はメモを取る素晴らしさ以上に、メモという魔力を使って自分を知り、人生をより幸せにして欲しいという願いが込められた本です
その幸福な熱量が込められた本をぜひ手に取ってお読みください
「メモの魔力」には幸福を願う魔法がかけられています