読書タイムイズマネー

読書で学んだこと体験したことをブログで綴ります

川上量生著「コンテンツの秘密 ぼくがジブリで考えたこと」を読んで

f:id:auuser:20190123141954j:plain

川上量生著「コンテンツの秘密 ぼくがジブリで考えたこと」を読みました

 

川上量生さんの本はこれで2冊目です

 

1冊目は「ルールを変える思考法」というタイトルで、最終的な結論が、人類は脳が縮んでいき、最終的にはミトコンドリアになるという話で締められていた本です

 

……これだけ書くと分けわからないですが、何かの勝負に勝ちたいなら、誰かが決めたルールのうえで戦うのではなく、ルールを決める側に回り、自分が決めたルールで戦うことが最も勝率を高める方法です

 

「ルールを変える思考法」はタイトル通り、ルールを変えるために大切なことが書かれています

 

川上量生著「ルールを変える思考法」ー人類の行き先を見据えた祭り

 

川上さんはドワンゴを創設した方で、ニコ動などを立ち上げた方で、カドカワ代表取締役に就任したりと、現在も大活躍をされています

 

そんな川上さんがコンテンツの秘密を知るために行ったことが、ジブリのプロデューサー鈴木敏夫さんの下でプロデューサー見習いをするというものでした

 

世界に名だたるジブリで得たコンテンツとは何かが書かれているこの本は、クリエイティブに関わる方はもちろん、子育て中の方にも読んでもらいたい本です

 

 

ドワンゴの取締役がプロデューサー見習い

 

本の中に書かれている川上さんが導いたコンテンツの秘密もさることながら、ドワンゴを立ち上げて成功している方が、プロデューサー見習いという言わばかばん持ちをするということが、まず凄いと思います

 

プライドって本当に不必要だなと

 

鈴木敏夫さんや宮崎駿さん、高畑勲さんと仕事ができて直接話を聞ける機会というのは確かに貴重な時間です

 

どこかの会社のトップがかばん持ちをするということは、出来ることではありません

 

コンテンツとは何か?クリエイティブとは何か?天才とは何か?を独創的かつ論理的に語っています

 

  • 主観的情報と客観的情報の違い
  • もはや全く新しいモノを発想することはない
  • 脳にあるイメージで判断している
  • コンテンツとの定義
  • 天才の定義

 

上記にあげた一つ一つの論理や結論が自分の中にはない視点で語られているので勉強になります

 

この本を通して最も勉強になったのは、ある仮説を立てて結論づける時の視点でした

 

客観的かつフラットに自分の仮説を検証する

 

川上さん本を読んで思うことは、自分が立てた仮説→検証→結論という流れを、客観的な視点で書いているということです

 

自分の思考すらも他者との意見のうちの1つとして考えているというか

 

世阿弥の「離見」と「離見の見」をかなりのレベルで使いこなせている方なんだなと

 

こういう視点が持てている方は、自分の意見を疑っているというか、脳の構造そのものが案外といい加減で100%信用しきれないということをよく分かっているのではないかと思います

 

主観でしか物事をみれない状態というのは、ある地点から自分の視覚と思考のみを頼りにしている状態で、脳が思い込んでいたり見誤ったりしていると、どんどんとゴールからズレていきます

 

それでも人は、自分が信じたいものを信じでしまうので、自分の仮説や考えは間違っていないと、強引なこじつけで結論を肯定しようとしたりします

 

この状態は思考の迷子といいますか、自分がどこにいるかも分かっていないのに、自分がいる場所だと思い込んでいる地図とコンパスを頼りに、ゴールだと思われる方向に進んでいる状態です

 

まぁ、ゴールに辿り着けるわけないですよね

 

自分の立ち位置を明確にするためには、自分がいる場所の情報が必要ですし、より精密な地図が必要ですし、この方向にゴールがあるという根拠が必要です

 

子供の素晴らしさは、自分の意見に固執しないというか、間違っていると思ったら簡単に意見をひっくり返し、その後は何事もなかったように歩きはじめるところです

 

失敗を失敗と思っていないマインドとも言えます

 

本の内容とはズレますが、失敗を失敗と思っていないマインドをいかに継続させてあげるかが、子育てで大切なことではないかと思っています

 

失敗した先に成功があるということを子供は当たり前に知っているという前提で、大人は子育てをしていかないと、自分の考えをつい子供に押し付けたりしまいます

 

「何で出来ないの?」や「こうしなさいっ!」という言い方は、失敗してはいけないんだと子供に思い込ませてしまいます

 

だからと言って、子供の好き勝手にやらせるというのも「しつけ」という面で育児放棄になってしまうので、その匙加減が非常に難しいなと

 

……子育ての話から本の内容に話を戻します

 

川上さんの凄いところは知りたいと思う熱量と行動力と独自の視点を用いた結論の出し方だと思います

 

コンテンツの秘密について書かれた本ですが、書かれている内容もさることながら、推論立てて考えるロジックそのものが、自分が持ち合わせていなかった視点で非常に勉強になりました

 

クリエイターはもちろん子育てをしている人にもおススメの本です

 

「情報量」や「脳の構造」を知ることで、子育てそのものを俯瞰的に見つめなおせるからです

 

主婦にも主夫にもオススメです!

 

題材がジブリなので読みやすいですよ