関橋栄作著「ブランド再生工場―間違いだらけのブランディングを正す」を読んで
関橋栄作著「ブランド再生工場―間違いだらけのブランディングを正す」を読みました
この本を読んだ理由は、ブランディングがどういうものかイマイチよく分からなかったからです
著者の方はキットカットを受験応援ツールにして、キットカットのブランドを向上させた人です
キットカットのイメージは確かにあるタイミングで大幅に変わりました
以前は、ファミリー向けの家にあるお菓子というイメージでしたが、今はチョコウエハースのお菓子の中では群を抜いてブランドイメージが高いです
というキャッチコピーは素晴らしいですよね
キットカットを受験応援ツールとして使おうという発想が素晴らしいですし、現代的な発想ですね
受験応援とは違いますが、岩井俊二監督「花とアリス」のトレーラーDVD付き販売されたこともありました
情緒ベネフィットを動かした見事なブランディングです
会社に勤めていて、自社のブランディングをしている方も、個人で働いていてセルフブランディングを上げたい方も、かなり例を出してかなり実践的にブランド構築について書かれているのでオススメです
もの凄くザックリとまとめてしまうと、ブランディングは「信用」と「共感」です
ビジネス書をお読みの方はイヤというほど目にしたワードですね
「共感」がブランドになるというと、「共感される」という風に思ってしまいがちですが、実は「共感する」というのもまたブランドなんだなと
キットカットの場合は受験生に共感される商品を目指したというよりも、受験生の心情に対して共感する側に回ったんですよね
受験生がしてもらって嬉しいことをキットカットがしたんです
サクラサクトレインやホテルマンから応援と共に手渡されるキットカット
現在はSNSで個人がブランド化される時代です
インフルエンサーと呼ばれている人たちですね
ツイッターを見ていると、「共感される」フェーズの前に「共感する」ことが出来る人たちがグンと伸びていて、「応援される」「共感される」ようになるという印象です
高級路線のブランディングをするなら別かもしれませんが、今後も「応援」という言葉がキーワードになってくるんだろうなと
この商品が消費者に対して「共感する」「応援する」というのは、ネットの普及がトリガーとなりました
ネット普及以前の広告はマスメディアから届けられる一方的なものでした
ネットの普及でインタラクティブが当たり前になり、消費者の声が大きな力を持つようになりました
一企業と一消費者に力の差がなくなってしまったんですよね
ここを企業が本当に理解していないと、生き残っていけない時代になりましたし、一個人も自分たちが一企業と同じ力を持てるということを知らないと、ブラック企業のようなところで働かなくてはいけなくなります
そして、個人がブランドを持てる時代になったからこそ、リテラシーがより重要性を増す時代になるんだろうなと思います